歩行について
一言に「歩く」といっても、その歩き方の違いによって身体に対する効果は大きな差になってしまいます。
まず履物です。サンダルやスリッパでは正しく歩くことはできませんし、ヒールのあるものや
パンプス、スニーカーでも紐がないタイプのものでは足を靴に固定することは難しくなってしまいます。
荷物がある場合はリュックタイプのカバンであれば良いのですが、肩掛けタイプのものでは
正しく腕を振ることはできませんし、ずっと同じ側にカバンを持っていると身体の傾きをつくってしまいます。
正しく歩くということ
ウォーキングシューズを履いて、荷物は持たないのがベスト。
荷物がある場合はリュックにする。
足の動かし方
足を意識します。脚を前に踏み出す時は足親指を上に上げる、地面を蹴る足は足親指で地面を
蹴る。足首を大きく動かすことでその上の関節も動きます。
足首→膝→股関節→骨盤→腰が動きます。
これを下肢連動ユニットと呼んでいます。要は足首を動かさない歩行になっているとその上の関節の動きに影響が出てしまいます。
相同関係とは
そして、もう一つ大切な身体の動きが骨盤➕股関節と胸鎖関節➕肩関節の連動です。
無意識に歩くと、右腕と左脚が同時に前に出ます。この時は左腕と右脚は後ろに行きます。
緊張すると右腕と右脚が前に出る人もいる?らしいですが…
自然な歩行は左右の手足が相互に動くようになっています。これを「相同関係」といいます。
例えば、右骨盤、股関節の動きが悪ければ当然、左肩関節に影響が出てきますし、その逆も然り
ヒールやサンダルのような履物ばかりで歩いてしまっていると、足首の動きが悪くなり
膝、股関節、骨盤の動きの悪さを作り、反対の肩関節にまで影響が出てくる可能性まであります。
歩く時間
基本的には30分〜40分を目安に、お身体の状態に合わせて行なって下さい。
決して無理はしないこと。かかりつけのお医者さんや治療院の先生に相談しながら行なって下さい
当院では43分の連続歩行を推奨しています。
30分というのが歩行の効果として身体への反応が色々と出てくるのに必要な時間の目安になります。
歩行の効果の一つとして関節潤滑というものがあり、関節に荷重をかけて動かすことで関節に潤滑液が出てきます。自転車の錆びついたチェーンに油を注すようなイメージです。
潤滑液を関節に馴染ますようにプラス10分これで40分そこからは歩行の個体差を埋めるため
プラス3分これで43分です。
歩くことで期待できる効果
「老は足腰からくる」これは本当です。
「歩く力」は歩くことでしか得ることはできません。
どんなに筋肉を鍛えても、ストレッチをしても「歩く」ことにはなりません。
自分の体重を支えながら足腰を鍛えることができます。
全身のバランスが取れるようになります。
全身の血流が良くなり、新陳代謝が活発になります。
脳への血流量も増えるので認知症の予防になります。
呼吸も大きくなり、数も増え呼吸循環器にも良い影響が出ます。
「歩く」だけで脳からセロトニン(幸せホルモン)呼ばれる物質が分泌されます。
セロトニンは抗ストレスホルモンとも呼ばれストレス対策にもなり、精神的にも良い状態になります。
ここでは書き切れないほどの効果があり、それほどの恩恵を歩くだけで得ることができる
お得すぎませんか!?
やらない手はないでしょう!!
良いのはわかっているけどお身体の状態でなかなかできない方やその他の事情でできない方も
おられると思います。
でも、少しだけでもいいんです…
現状でできる範囲でいいんです…
5分でもいいから始めてみてください。
そこから身体が変わり始める一歩になるはずです。